わずかな変化を見逃さず、対処せよ!

わずかな変化を見逃さず、対処せよ!

“わずかん変化を見逃さず、対処せよ”と題して、「ハインリッヒの法則」や「割れ窓理論」について述べてみたい。

 

「ハインリッヒの法則」は、アメリカの技師ハインリッヒが発表した法則で、災害統計の分析から生まれたものである。これは別名「1:29:300の法則」とも言われており、1件の重傷事故の背景には、29件の同種の軽傷事故、300件の傷害のない事故(ハッとした、あるいはヒヤッとしたもの)が存在するという。

 

「割れ窓理論」は、米ニュージャージー州ルトガーズ大学のジョージ・ケリング博士が、警察官の徒歩パトロールの成果から導き出した理論である。この理論はその言葉通り、建物やビルの窓ガラスが割られて、そのまま放置しておくと、外部からその建物は管理されていないと認識され、割られる窓ガラスが増える。建物やビル全体が荒廃し、それはさらに地域全体が荒れていくという理屈である。

 

このように割れたガラスを放っておくと犯罪を誘発するというわけだ。即ち、最初の小さな犯罪防止こそがその後の重大な犯罪防止に繋がるということである。

 

この「割れ窓理論」を犯罪防止に活用したのがニューヨークのジュリアーニ前市長だ。1994年の就任直後から、落書きや地下鉄の無賃乗車など、比較的軽い犯罪の取り締まりを徹底させた。この結果、1995年の殺人件数は市長就任前の1993年に比べ4割減ったという。

 

この二つのことから共通して言えることは、「小さな、わずかな変化や事変を見逃さず、放置せず対処せよ。」ということだ。

 

例として、開発現場において開発工程遅延や品質といった問題によく悩まされるが、工程進捗や品質に関して大事に至る前に必ず予兆はあるはずである。その予兆を感知し、小さいうちに対処することが大切であるということを示している。

 

事故や失敗、防犯といった上記の法則や理論は、市場の変化、顧客の反応、人間関係の変化などあらゆるものに応用できる。そして、「未来を見抜く眼(先見力)」としての見方もできる。

 

「現在の中に未来の種(ヒント)がある。」とも言われている。未来は現在の中に種を見いだすことができる。従って、アンテナを高くし、常に情報を収集することが大切である。

 

このような予兆を感知するアンテナやセンサーの感度は、個人の責任(自己責任)である。自分で磨くしかない。

 

そのためには、知力を高め、原因と結果の連鎖(原因結果の法則)で読み解く力や先入観や偏見なしに常に白紙に戻して眺めることができる認識力を養う必要がある。更に、感知した予兆に対して放置せず対処する習慣も身に付ける必要がある。

 

事故や失敗を未然に防ぐためにも、未来の予兆を見抜く先見力を養うためにも、感度を磨き、わずかな変化を見逃さず、対処する習慣を身につけていきたいものです。