こんな幹部は辞表を書け

こんな幹部は辞表を書け

日本能率協会総合研究所代表取締役会長(当時)の畠山芳雄著【マネジメントの基本】選書 新版 こんな幹部は辞表を書け (「マネジメントの基本」選書)より、参考になると思われる内容を2回に分けて掲載させて頂きます。

 

1.「目標」=「予測」+「ムリ」

 

今までの外部の条件が今後も続き、従来どおりの努力を払っていたら実現するであろものが予測値である。

 

目標とは、この予測値に、何らかのムリ(荷物)を加えたものだ。

 

従って、「予測」プラス「ムリ」イコール「目標」ということになる。

 

目標とは、何らかの意味で今までと違った工夫をこらさないと、達成できないものを意味している。

 

目標におけるムリの幅をどう決めるか。

 

このへんが幹部としての力量ということができる。

 

それは、何らかの意味で自分に新しい問題を提起し、新しい緊張と工夫と努力とを誘発するだけの重い荷物でなければならないし、また半面では、自分の力と部下の力、あるいは競争場裡における自社の力を計算に入れたものでなくてはならない。

 

そして、このムリが幹部を成長させる。

 

2.期限を切らねばビジネスにならない

 

自分の目標には、それにムリがかかっていることのほかに、いくつかの条件がある。

 

まずそれは、明確に期限が切られていなければならぬことだ。

 

目標とは、要するに「いつまでに」「どんな状態に」するという自分の決意にほかならない。

 

「今年中に」とか、「来年3月までに」とか、「来年末までに」といったふうに、自分が逃げる余地が無いよう期限を切ってしまうことである。

 

これは目標に限ったことではないが、期限のないものはビジネスではない。

 

産業界では、すべて期限を切ることによって、初めて「仕事」になる。

 

もうひとつの条件は、「到達すべき状態」というものが、ありありと自分の眼底に見えるくらいのィメージになっていることである。

 

それは、とにかく目標を設定して見るといったものではなく、必死になって考え抜き、これはできる、いや何としてもやり遂げなければならん!という厳しい決意として結晶したものでなくてはならない。

 

それは自分が挑戦し、自分の力を賭けようとするものである。

 

単に数字のイメージしか湧かないようなものではない。

 


更に重要な条件は、その目標が、経営者や上級幹部から負わされたものではなく、自分の問題意識から、自分が自主的に背負ったものであることだ。

 

人から背負わされた荷物はたいした重量でなくとも重いものだが、自発的に負う荷物は軽いものだからだ。

 

これを何とか克服したときの満足感も、また格別なものである。

 

 ・幹部に必要な能力の第一は、目標指向力と呼ぶべきものである。

 

 ・目標の水準は、自分が智慧を振り絞らざるを得ぬほど無理がかかっているとともに、自分と部下、あるいは会社の持つ力を慎重に判断に入れたものでなくて
 はならない。